2025年

NO.587 2025年

内閣府のホームページに面白いものを見つけたので紹介します。

引用
イラストで見る20のイノベーション代表例

皆さんが自分たちの立場で考えてみると、どのような日本の社会を想像するだろうか。 2025年といえば、中高生は30代に、今年生まれた赤ん坊は大学生になっている。
「イノベーション25」の策定にあたって、「こんな発明、こんな社会の仕組みがあったら、こんな人がいたら、私たちの暮らし方、仕事の仕方、学び方は、こう変わる」といった、イノベーションでつくる2025年の社会について国民の意見を募集した(※1)。
また、日本学術会議は、2025年の社会の姿を明らかにした上で、それに向けて推進すべきイノベーションとその進め方について検討し、報告書「科学者コミュニティが描く未来の社会」を公表した(※2)。
そうして集まった国民や科学者の意見、科学技術予測調査等(※3)を参考にしつつ、20年後の日本と世界を展望すると、2025年に目指すべき日本の社会イメージが多数描かれるが、特にその中から夢のあるものとして以下に20の例を示す。

※ 1.国民の意見募集
2006年10月27日から12月31日まで、内閣府ホームページ等にて「イノベーションでつくる2025年の社会」について幅広く国民から意見を募集したところ、合計385件の意見が寄せられた。

※ 2.日本学術会議報告書「科学者コミュニティが描く未来の社会」(2007年1月)
日本学術会議は、2006年10月に高市イノベーション担当大臣からの協力要請を受け、「イノベーション推進検討委員会」を設置し、約3ヶ月かけて日本学術会議会員・連携会員2,200名の自発的個別提案を集成。

※ 3.科学技術予測調査等
文部科学省科学技術政策研究所が2003年度から2年間の計画で実施した科学技術の中長期発展に係る俯瞰的予測調査。延べ2,500人の専門家が参加。この他にも多数の専門家からご協力を頂いた。

引用終わり

2006年に策定されたものが、実際に20年たった現在、どのような結果になったのか、一部を引用し、画像生成しながら検証したいと思います。尚、画像生成には、プロンプトとしてタイトルのみを入力したため、実際とはかなり異なっています。

走れば走るほど空気を綺麗にする自動車

技術的な課題の到達度を引用します。
・煤塵、NOX等の出ないクリーン燃料(水素を除く)(2014年/2021年)
・燃料電池を搭載した交通機関(自動車、船舶など)(2012年/2021年)
・燃料電池自動車への水素供給サービスの普及(2013年/2023年)
・太陽エネルギー変換効率3%以上の人工光合成技術(植物の光合成は1%程度)(2030年/2036年以降)
・樹状高分子化合物を活用した人工光合成技術(2017年/2028年)

キャッシュレス・ワールド

  • 世界中でカード1枚でほとんどすべての手続きや買い物ができる、セキュリティ機能(個人認証等)、電子決裁機能等をもった多機能電子カード(2009年/2014年)
  • 従来のお金と同様な信用性をもって匿名で金銭の授受が可能な電子マネーの一般化(-/2014年)
  • 電子マネー等の普及によって500円未満の少額決済がゼロもしくは無視できるほどの低いコスト負担で行なわれるようになる(2008年/2013年)

これは、完全に到達したと言っていいでしょう。

折りたたみ式ディスプレイ

  • 新聞紙を代替できるような柔軟性(薄く柔らかい)をもつ携帯電子ディスプレイ(2011年/2016年)
  • 新聞紙程度の大きさと薄さをもち、同程度の分解能を持つ折りたたみ型ディスプレイ(2015年/2023年)
  • いつでもどこでも映画を楽しめるような網膜に直接写すことのできるディスプレイ装置(2015年/2024年)

これもほぼ到達です。

製造現場の頭脳ロボット

  • 作業者の安全を確保するための、製造行程の危険作業や極限作業におけるロボットの利用技術(2011年/2017年)
  • 建設工事の短縮化と安全確保のために工事現場で利用する知能ロボット技術(2013年/2020年)
  • 3次元実時間画像処理と力覚制御処理法により、環境変化に対応した作業が実行できるロボットを用いた製造技術(2015年/2024年)
  • 自己修復能力のあるロボットを用いた生産システム技術(2021年./2031年)

一部未達の技術がありますが、ほぼ到達と言えるでしょうか。

センサネットワークで守る子供の安全

  • 監視カメラがネットワーク化され、未然に挙動不審者を発見する自動監視システム(2008年/2014年)
  • 公共的空間に設置された監視カメラで認識し、人相・しぐさ・顔かたち・音声等を解析することにより、指名手配犯・重要参考人等の所在確認を支援する技術(2012年/2019年)
  • 防災、防犯、介護支援機能に加え多様なサービスを利用者に提供する生活支援型ロボット等を活用した家庭用セキュリティシステムが相互に接続された地域セキュリティシステム(2014年/2021年)
  • 防災、防犯、福祉を中心的概念として用いながら地域社会の形成を促進する技術(2011年/2018年)

技術的には課題達成されていますが、実現しているかというとそうではありません。カメラによる監視社会の是非や功罪について、まだ議論が深まっていないかなと思います。カメラによる監視社会を100%実現した狭い範囲のコミュニティをテーマにした海外ドラマがあります。作品の中では、そのような社会の問題点が浮き彫りにされています。

衝突できない車

※タイトルが変かなと思いましたが、そのまま引用しました。

  • 車車間通信システムを活用した出会い頭等の事故防止システム(2009年/2016年)
  • 高速道路等において目的地設定するだけで安全・円滑に自動走行する自動運転システム(2012年/2020年)
  • 画像認識や各種センサを利用して自動車周囲の状況を認識することによって、衝突を防止するシステムの一般化(2010年/2015年)
  • 物同士が相互に存在、性質、状況を感知し自動的に危険回避や協調作業を行う技術(例えば、自動車と自転車、ストーブとソファーが接近して危険な状態になったときに、物同士が通信して、自動的に警告音を出したり、止まったり、火が消えたりして危険を回避するようになること)(2013年/2020年)

こちらの技術は車に実装され、現在は進化の真っただ中かと思います。

200平米200年住宅

  • 関連資料の共有や自然言語会話が可能な、臨場感あふれる遠隔分散会議システム(2013年/2020年)
  • 世代交代、生活スタイルの変化、業務様態の変化、都市環境の変化などによる時系列上での要求変化や劣化に対する対応性・適応性の高い住宅・建築システム(2011年/2018年)
  • 我が国において、IT、交通システムの発達、産業の地方分散の進展など、政策誘導と企業の意思決定により、大都市圏以外の地方で生産される付加価値の中長期的(5年間)成長率が大都市圏のそれを上回るようになる(-/2015年)

上二つの項目については、思い当たる技術がかなりあります。「住宅」というキーワードについて言えば、20年前には想像できなかった技術がすでに開発されたかなと思います。それは、3Dプリンタハウスです。他には、コンテナハウス、トレーラーハウス、津波対応シェルター、核対応シェルターなど様々な実用的施設が登場しました。

ロボットが月旅行

  • 人間と同等な総合的判断能力を有するロボットによる宇宙・惑星探査技術(2026年/2034年)
  • ロボットによる軌道上保守、修理および機能拡張が可能な衛星システム(2017年/2026年)

未達の技術にも想定される年が明記されていて面白いです。

不毛の砂漠に緑のオアシス

  • 逆浸透膜などによる、経済的・実用的な海水淡水化、汚染水浄化技術(2006年/2013年)
  • 砂漠における高効率な植生再生技術(2014年/2022年)
  • 人口増加による食糧危機回避のための砂漠緑化技術や砂漠での食料生産技術(2018年/2029年)
  • 耐塩性、耐乾性、耐寒性を強化・付加した有用植物を用いた砂漠等での作物生産・緑化技術(2015年/2027年)

地球環境について考えると重要な技術ばかりです。

この20年間に到達できたものあるいは未達のもの、振り返ってみるとなかなか面白かったです。

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